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すみません。バルコノバルコノと暴走しておいて、アサコノ切ない系SSを書き上げてしまいました!!
びっくり。唐突に思いつきました。切ない話が好きなので向いてるのかしらとちょっと調子に乗りつつ、ラブラブでございます。実は途中までコノたんが片手不自由なこと忘れてたとかそんな平和ボケしたことは…公然の秘密ってやつですよ。
実はこのアサコノSSは某アサコノ(むしろアサトラブ)サイトさんに触発というか洗脳されて出来上がったものですが、そちらのサイト様の傾向とはカップリングしかかぶってないので失礼限りないんですが、いつか告白出来たら言いなぁ…なんて夢見てます。アサコノって可愛い。でも私的にはアサコノでHは、なんか犯罪っぽくて!! やー、コノエはアサトのこと愛しいと思ってても母っぽいというか独占系よりは抱きしめたい系だと思うんですよね。…百合、とか…。わー、すいませんすいません!!なんかすごいこと言っちゃた今。汗
自称切ない系 らぶらぶアサコノSS
タイトル: 『君と僕の夢』
黒い子猫が泣いている
見たことがある 部屋
ここは アサトの家 幼いアサトの
じゃぁ泣いているのは
背中に大きな傷を受けて 声を殺して 泣いて いるのは
コノエは駆け出した
あのときはリークスのせいで触れることが出来なかった
だけど今なら
手をのばす 子猫が振り返る
驚いた顔でコノエを 見た
コノエは叫んだ 何故か自分も 泣きながら
「…アサト!!」
がば、と身体を起こし、自分はベッドの中にいた。
「コノエ」
ゆらぐ気配に隣を見ると、アサトが顔を寄せていた。
そう、今のアサトだ、背も自分よりずっと高い。身体も大きくて、怪我もしていない。
「コノエ、大丈夫か。怖い夢、見たのか。」
アサトがコノエの頭をなでる。両手で頬を包んで、コノエの目を見て微笑む。
「大丈夫だ、コノエ。俺はここにいる。怖い夢を見たのか?」
酷い汗をかいていた。けれどアサトは気にすることなく、コノエの目元を下で舐める。
「大丈夫だ、コノエ。怖い夢も俺がやっつける。」
ああ、そうか、涙も、流していたのか。
「怖い夢じゃ…なかった。少し、悲しかった、だけだ。」
何も 出来なかった あの時も 今も。
「起こして、ごめんな、アサト。」
「平気だ。コノエ、今夜は俺コノエをずっと抱いて寝る。俺はすごく嬉しい夢を見たから、コノエに分けてやりたい。」
ぎゅっとアサトはコノエを抱きしめた。
「母さんが言ってた、抱きあって眠ると夢を分け合えるって。俺が怖い夢を見たとき、父さんの夢を分けてくれるって抱きしめてくれた。」
「そうか。…アサトはいい夢を、見たのか。」
嬉しかった。あの夢を見たのがアサトじゃなくて。
コノエはアサトの背に手をのばし、背中を撫でた、あの大きな傷跡をたどるように。
片手ではアサトを抱きしめることは出来ないけれど、せめて小さなアサトの痛みが、和らぐように。
「うん、いい夢だ!コノエが出てきた!」
アサトは嬉しそうにコノエを自分の膝に抱き上げた。
器用にずり下がって、ベッドの頭にもたれると毛布を被せる。
「まてアサト、このままじゃ、寝にくいだろう?」
「平気だ、コノエ。コノエを抱いてるとあったかくて、気持ちいい。」
アサトはコノエに優しいけれど、言い出すと聞かない頑固な一面もあった。
本当はきちんと寝かせてやりたかったけれど、起こしてしまった手前と、実際、胸の中がスースーするような痛みにはこの姿勢がとても心地よかったので、甘えてしまうことにした。
「うん、そうだな、俺もあたたかい。」
「コノエは、優しいな。夢の中でも、優しかった。」
「夢の中の俺も、こうしてたのか?」
アサトの鼓動を頬で感じながら、コノエはまどろみ始めた。
「夢の中のコノエは俺のために、泣いてくれた。抱きしめて、かわいそうだって言ってくれた。」
「俺が…?」
「うん、夢の中の俺はケガをして、泣いてた。でも母さんもカガリもいなくて、俺は痛いよりもっと寂しかった。」
「…。」コノエは息を、のんだ、それは夢ではなくて…。
「そしたら、コノエが来てくれたんだ、夢の中なのに、俺は小さいのに、アサトって名前を呼んでくれて。俺は、すごくびっくりした。それで、すごく嬉しかった。コノエがいるから、寂しくなかったし、痛いのもどこかにいってしまったんだ。」
にっこり、笑ってアサトは言った。
「やっぱり、コノエはすごいな。」
「馬鹿、そんなの、夢、だろ。」
涙が、出る。だめだ、またアサトが、心配する。
「うん、でも夢の中でもコノエは俺を助けてくれた。だから、コノエはすごい。」
「…っ、アサ、ト。」
コノエは泣いていた。
俺はすごくなんかない、頑張ったのはお前なんだ。
ずっとひとりで、耐えて、強くなって、俺の事を守ってくれてる。
俺は何も、出来なかったのに。
だけど、さっきの夢がアサトに届いていたのなら。
俺は、アサトの言うみたいに、すごいんだってお前のことを助けられたんだってうぬぼれてもいいんだろうか。
「…アサト、アサトアサト。」
涙がつくのも構わずコノエはアサトの胸に顔をうずめた。
なんと言っていいかわからなかった。抱きしめたいのに、抱きしめられないこの手がもどかしい。
「コ、コノエ?どうした、どこか痛いのか?お、俺の話、いやだったか?」
アサトは驚いていた、コノエを泣かせてしまった。どうしよう。
嬉しい夢だから、コノエも元気になると思ったのに、どうしよう。
自分はコノエを泣かせたり怒らせたりしてる、大事にしたいのに上手にできない。
「ごめん、コノエ、もう言わないから、泣かないで。」
「ち、がう。ちがう、アサト…悪く、ない。」
「コノエ、でも、ごめんコノエ、俺、コノエのこと泣かせたくなくて、ごめんコノエ。」
どうしたらいいのか分からず、アサトはコノエを抱きしめる。
「アサト、もっと、抱いて。」
「コノエ。コノエ好きだ、コノエ。」
だから、どうか泣かないで。笑っていて。
「アサト、俺も、好きだ。アサトが。」
好き…と最後まで告げられず、コノエは片手でアサトの腕にすがりつく。
「俺はお前を抱きしめ、られない。抱いて、アサト、俺の分まで。」
お前ごと、俺を全部、抱きしめて。