[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
愛の言葉に励まされ、調子に乗って勢いつけて書きました、頑張ってしまいました!!
バルドがアホです。もうほんまにすいません。ごめんなさい開き直ってしまいました。私もかっこいいバルド大好きなんです。けど何故か私が書くと親父猫で、ほんまにすいません。むしろ私の分身みたいなバルドになってます。シリーズものとかは特に意識しておりませんが、世界観というかバルコノで新婚さんが出来上がってるって設定は前作とおんなじです。
愛してるよコノエ!!いっとけバルド!!な気持ちばかりが炸裂したSSです。
タイトル:『お揃い計画』↓
バルドの様子がおかしい。
なんとなく、耳やしっぽの動きが早い。
前のようにべったりくっつく事がなくなったので、
自分の動きが気になっているのかというとそういうのでもないらしい。
受付に座っていてもいつになく気がそぞろで落ち着かない、
疲れているのかともおもったけれど早起きだ。
いや、早起きな方がいいんだけど。
時々感じる違和感が気になりつつも、
なんとなく原因がつかめないのでコノエは落ち着かなかった。
バルドに聞いてみようとも思ったが…なんと聞いていいのかわからない。
「疲れてないか?」と聞くと、
「いや?全然元気だぜ、むしろ春だから有り余ってるな!!」
と右腕で力瘤を作ってみせた。
おまけに、なんなら証明するか?と抱きしめられて大変だった。
なんで、それが疲れてない証明になるんだ!!
大体バルドはスキンシップが過剰だと思う!!
何故か強く拳を握り締めて、ひとり真っ赤な顔で空に訴えるコノエは
いたいけな新妻になりたてほやほや、ただ今お洗濯物とりこみ中。
プロポーズの翌日にとんでもない目にあって、
本気でトキノの家の子になりたいと思ったのも今ではいい思い出であろう。
たぶん。
というわけで、深刻な事態でもなさそうだし、
過剰なスキンシップの口実をほいほいと与えるのも嫌なので、
なんとなく踏み込めずにいるコノエだった。
「こんにちわー、バルドさんお届け物でーす。」
下からトキノの声が聞こえる。
「今日、なんか頼んでたっけ?」
コノエはつぶやくと、ぱぱぱっと大量のシーツを抱えて敏捷に階段をかけおりた。
「トキノ、いらっしゃ…ぐはっ?!って何やってんだアンタ!!」
コノエが待合所に入った途端に抱きつく塊、もとい旦那様バルド。
「コーノーエー、いいタイミングだ!!いいもん来たぞ!!さぁ、奥へ行った行った!!」
「え、何、ちょっ洗濯物にしわつけるなよっ。」
「もーいいからいいから、洗濯物は俺にまかせとけっ。」
さぁさぁっとしっぽと耳をぴっこぴっこ揺らしてバルトはコノエを部屋に押し入れた。
「さぁ、頼むぜトキノくん!!」
「まかせて下さいっ。」
パタンっと閉められた扉の向こう、
自分たちの部屋の中にはトキノが荷物を広げてまっていた。
「え?トキノ、どうしたんだこれ…何。」
「うん、この間バルドさんに春の祭りまでにって頼まれたコノエの仕事着だよ。」
「え?俺、なんにも聞いてない、けど。」
「ふふふ、コノエをびっくりさせたかったんじゃないの?
愛されてるね、コノエ。さー万歳してー脱いで脱いでー。」
「え、あの、なんで。」
「いーからいーから、これ被って、こっちは羽織ってね。
あ、これを先に下に穿いて、そうそうで、これはエプロンねここでこうして、
こう結ぶといいよ、うん、すぐ慣れるから、大丈夫。
後ろはバルドさんに手伝ってもらえばいいよ。
あ、折角だから髪梳いておこうか、あ、これサービスね、
傷薬なんだけど唇に塗るとつやつやになるから、はい、口閉じて。」
どたばたとトキノが動き回る音がよく響く。
「ふっふっふ、俺も準備しなくちゃなー。」
客がいないのをこれ幸い、とバルドは厨房へするりと飛び込んだ。
「おまたせしましたバルドさん!!出来上がりです!!」
意気揚々とトキノが扉を開け放ち、コノエを押し出した。
そこには、新しい仕事着を纏ったコノエ+バルド。
「おおおおおおおおおおおっしゃあああああ!!
似合うぜコノエ!!まぁ、俺が考えた衣装だから、当然だけどな!!
俺とお揃いだ!!可愛すぎるぞコノエ!!」
「え、なんでバルドとお揃いなんだ!!」
「なんだよ、いやか?」
「い、いやっていうか、恥ずかしい、だろ!」
確かに。
「コノエ。」
ぽん、とバルドの手が肩に置かれた。
「え。」
「俺たちは結婚して夫婦になった。」
久しぶりにまじめな顔のバルドにコノエは素直に頷く。
「うん。」
「夫婦といえば、一心同体。」
「う、そ、そうなのか。」
「そう!しかも!俺とコノエは共に宿を切り盛りする運命共同体!!」
「う、ん。」
同意が得られてご満悦なバルド、うんうん、と頷いている。
「しかも!コノエは宿の主人の妻、すなわち女将だ、若いから若女将な。」
「それ、メスに使う言葉だろ。」
おや、今日はちょっとかしこいぞコノエ、と思いつつも気にせず進めることにしたバルド。
「で、結婚したし、女将もいるし、どうせやるなら仕事着を用意して、
俺も本格的にこの仕事に身を入れよう、と考えたわけだ。」
「バルド…アンタ、ちゃんと考えてたんだな…。」
コノエちょっと感激、瞳がうるんでます。
「で、どーせ仕事着を作るってんなら、
周りの奴らに見せ付けるが如く!
この可愛い可愛い若女将は俺のもんだ!!と
お揃いの衣装で決めたくなってもしょうがないってもんなんだ!!」
男のロマンが、やや暴走。
「…は?」
「な?」
「…ちょっと違わない、か?」
「何言ってるんだコノエ、結婚したらお揃いの服なんか普通だぞ。
正式な恋人でありパートナーであると世間にもお披露目してるのが夫婦なんだからな。
一緒に同じ飯を食うのと同じ位に、普通だ。」
きっぱり。
まっすぐ目を見てまじめな顔で、また新妻をたぶらかしてますこの親父猫は。
「ふ、普通なのかトキノ?」
「え、うん、うちはお揃いの指輪、父さんが贈ったって聞いたことあるよ。」
…どうせなら指輪の方がいい。
とコノエが思ったかどうかはさて置いて。
「そ、そうか。じゃぁ、その…あ、ありがとうバルド。」
「ん?」
「え、と、俺、こういうの、好きな、人から、贈り物、とか、慣れてないから、嬉しい。」
ズキューン!!
健気な言葉にハートを打ち抜かれた親父猫が一匹。
コノエが、恥ずかしがり屋で意地っ張りのコノエが頑張って愛の言葉を…!!
「それと、ごめん。」
「んん?」
「俺、お揃い、恥ずかしい、てゆった。ふ、夫婦なの、に。」
「まったく、たまらんなぁ…。」
ふーっと大きく息を吐いてちょっと反省。
さっき言った分かりやすいマーキングのつもりの他に、
実は
「メス用のドレスが駄目ならお揃いの衣装で!
昼も夜もコノエを俺色に染めよう計画v」
なんてものも目論んでたんです、この親父猫。
「コノエ。」
にっこり笑ってコノエの手をとるバルド。
「俺の愛と甲斐性はこんなもんじゃないぞ。頑張って受け止めてくれ。」
ちゅっと唇にキス。
甘い香りと太陽のにおいが鼻をくすぐった。
「バルド…。」
ほんのり頬をそめてバルトの胸に鼻をこすりつけるコノエ。
「ほんとに仲良しですね、二人ともv」
ぶわっとコノエの髪も毛もしっぽも見事に逆立った。
「おうよ!!ってわけでトキノくん、
同じ衣装あと2着くらい用意しといてくれ。替えも無いと色々楽しめんしな。」
「はいはい、毎度ありがとうございます。」
「ん…んなっ、何考えてんだこの節操無し!!」
折角のいい雰囲気でしたが、トキノの目の前だったものだから、恥ずかしがり屋のコノエの鉄拳がこれでもかと炸裂したという。
もちろん、反省中の旦那様は甘んじて妻の鉄拳を受け止め、両目パンダになりましたとさ。
ちゃんちゃん。