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ブログで小説ってのは、読みにくいかなとは思うんですが、よそ様でやっておられたので自分も挑戦してみることにしました。ただ、小説ブログやってらしたのが忍者ブログじゃないとこだったのに今気づいて、ちょっとおろおろしてます。怒られたらちゃんとHP作る努力をしてみます。それまでここでよろしくお願いします。
とりあえず、ほんまにすいません、愛と勢いだけで突っ走ってます。バルドは私だ。もっとシリアスにコノエの葛藤とかバルドがかっこつけようとするとことか考えたのに、書いてみたらこれが一番しっくりきたんどす!!
バルコノSS
タイトル: 『プロポーズ』↓
リークスとの戦いの後、バルドはコノエを離そうとしなかった。
いつもなんだかんだと用を頼んでは
コノエが自分の傍らに、目の届くところにいるようにさせるのだ。
コノエはバルドの手伝いをするのは嫌いではなかった。
信頼されていると感じるし、役にたてるのが嬉しかった。
火楼ではずっと一人だった。
誰かと一緒に、誰かのために、なんて考える必要がなかった。
何より賛牙としての能力以外をバルドは必要としてくれているのだと、思えた。
「コノエ、すまん、ここ支えてくれー。」
情けない声に物干し台から身を乗り出すとバルドが水浴び場の外で動けなくなっていた。
「今行く!」
パタパタ…と軽快な足取りで階段を駆け下りる。
「大丈夫か?」
とっさにバルドの横から手を伸ばす。
大型種のバルドに支えられないものを自分に支えられるのかという杞憂もあったが、どうやら重くて呼んでいたわけでは無いらしい。
「すまんなー、念のためたてつけが悪くなってないか見にきたら、扉を動かした途端倒れて来やがった。」
コノエの後ろから頬をすりすりと寄せてバルドは言った。
「危ない、板落ちるぞ。」
くすぐったくてコノエが首をすくめて怒る。
「お、悪い、ついでにもう少し持っててくれ、大丈夫か?」
「平気だ、これ位。」
気遣われたのが気恥ずかしくて、顔は背けてしっぽをぱたっとふる。
コノエの頭をぽんと撫でて、バルドは脇にあった道具箱に手を伸ばした。
バルドは仕事の合間に頭に頬に手を触れて、しっぽで触れてコノエを気遣ってくれる。
夜になると二人とも疲れきってすぐに眠ってしまうので以前のような睦みあいの甘い時間は持てなかった。
その分を補っているのかもしれないなと、コノエは思う。
コノエにしてみれば、バルドにくるまれて眠る時間は充分暖かくて甘いものだった。
何より夜は顔を見ないし、暗いし、すぐに眠ってしまうので恥ずかしさは昼間のこういうものの方が格段に上かもしれない。
何せバルドの愛情いっぱいのコミュニケーションは、それがどれだけさりげないものでも、さりげないほど、コノエにはもぞもぞとする気恥ずかしさを与えるのだ。
いっそがばっと抱きつかれる方が怒れるし、相手の意図がはっきりしている分マシだった。
さりげなく、何気なく、何の他意も無く優しくされるのは、本当に苦手だ。
火楼ではずっと一人だった。
自分を大切に思ってくれる誰かと過ごす日がくるなんて。
バルドはコノエの脇で上下に動きながら器用に扉をはめている。
明日も明後日もずっとこうして手伝えるなら、明日も明後日もずっと自分は一人じゃないんだ。
鼻歌を歌うその横顔を見ていると、胸の辺りが暖かくなった。
胸の隙間にある黒い塊も、癒されるような気がした。
「なんだ?俺の横顔に見惚れたか?」
ドキンを体全部で音がして、コノエは頬が熱くなるのを感じた。
「な……ば……っ。」
「んー照れるな照れるな。」
わはは、と作業を終えたバルドは豪快に笑ってコノエを抱きしめた。
「ち、ちが…っ別にそんなんじゃないっ!!」
「そんなんじゃなかったら、どんなんなんだ?」
バルドはぐりぐりとコノエの頭に頬ずりをする。
「俺はコノエの方からあつーい視線を感じたんだけどなぁ?」
バルドはにやり、と笑ったに違いない、見えなくても分かるのでうううぅと唸りながらコノエはバルドの腕にしがみつく。
「俺の事、見てただろう?」
トーンを落とした優しい声、耳元で囁くのはずるいとコノエはいつも思う。
「見て…たけど。別に、み、ほれ…とかそんなんじゃ…。」
うん?とバルドは片方の手でコノエを抱え、もう片方でコノエの髪をあやしながら先を促す。
「ただ、ちょっと、その…嬉しかっただけだ。あんたといられて。」
ドクン!とコノエにも聞こえる音がして…一呼吸。
「コノエ、ほんっとーに可愛いなお前は!!」
大声で叫ぶとバルドはコノエをぽーんと抱き上げて器用にこちら側に向けてキャッチすると、もう一度抱きしめた。
「ずっと一緒だ俺たちは!!結婚しようなコノエ!!」
バルトは満面の笑みで宣言した。
もう決定事項のようである。
「結婚ってあの、オスとメスがつがいになるときにする…?」
「そう!!」
「俺もアンタもオス、だけど。」
「構わん!!身体の相性は実証済だろう?」
かああと音をたててコノエの全身が真っ赤になる。
「じ…ってアンタなぁ!!」
「なんだ、俺じゃイヤか?」
「い、いやじゃ、ない、けど。」
むしろバルドでないと嫌だし、とごにょごにょとコノエが続けると、むぎゅううううううううと、これでもかと言う位抱きしめられた。
コノエは本気で絞め殺されるかと思ったと後に語る。
「よし!!決まりだ!!もー絶対放してやらん!!俺だけのもんだからな!!」
リークス戦から7回めの月が昇った日、お宿の復興よりも早いプロポーズであった。
このあと、どこから材料を調達したのか真っ白なドレス(メス用)をコノエに着せようとしたバルドは、久しぶりに顔を出したライに斬り殺されかけ、コノエはというとまたまた偶然やって来たアサトにバルドより熱心にドレスを勧められトキノの所へ家出したという。