忍者ブログ
バルドのせいで髭受にも目覚めたのです。
[136]  [135]  [134]  [133]  [132]  [131]  [130]  [129]  [128]  [127]  [126
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

うっしゃああああああ!!
書けました!ラゼコノ!ひさびさのラゼコノ!
なんとなくですけど、チョコレエトとラゼルは似合うなぁと思ってたので、書けてよかったです。
赤と茶と濃厚な甘みで大人の香りっつーたら、ほら、ラゼルじゃないですか!

なんかもう、すっかり恋人同士みたいになってますけど…ええ、なんか前までのSSの迷いはどこいったよって感じですけど、あれはあれ!これはこれ!時差があると思っていただいても、別系列だと思っていただいても大丈夫です!だってナニモカンガエテナイカラ…・。えへ。

というわけで、バレンタイン用SSです。
ちょっと…あかんのちゃうかってくらい、ラゼルが表情筋ゆるみまくりでスミマセン。

ラゼコノSS:
タイトル:「甘い甘いチョコレート」

ゆらゆらと揺れる辺り一面の緋毛氈、
たったひとりの雛の為の空間でコノエはうとうととまどろんでいた。
たゆたい自分を包む暖かな感触に、くるくると喉を鳴らしている。

そこへ、舞い降りる深紅の炎。
ぴくりと顔を上げるコノエの頬に触れるのは、暖かな手。
「ラゼル…。」
瞳を閉じたまま、コノエはその手に甘えるように頬を摺り寄せる。
手の主は満足げに微笑むと、コノエの曲がった角をぺろりと舐めた。
はぁ、と吐息をあげてコノエはそっと瞼を開ける。
視界に映る鮮やかな赤と、どこまでも冴え冴えとした青い双眸。
望んだもの 全てがそこにあった。
コノエは声をあげずに、にゃぉんと鳴いた。
赤い悪魔を見上げ、ちろりと舌をのぞかせれば
それを掬い上げるように唇を重ねられる…と思っていた。

「あ?」
舌に触れたのは重く絡みつく甘い感触
驚いて、ん、と口を閉じれば鼻腔まで広がる濃厚な香り
口元を押さえもごもごと口の中の何かを探るコノエ。
「甘いだろう?」
見知らぬ感触に目を白黒させるコノエにラゼルは楽しそうに目を細める。
コノエの視点に合わせるためかしゃがみこみ、
片肘をついて頬に手を当てるラゼルは子供のようで、
初めて見るその笑顔にコノエは、きゅんとときめいていた。
こくりと甘い塊を喉に流し込むとコノエは舌を出した。
「ラゼル、これ、何?」
「口に合わなかったか?」
「んん、おいしい、と思う」
首をかしげるラゼルに、コノは慌てて首をぶんぶんと横に振る。

「では、もうひとつだ。」
上機嫌でにっこり笑うラゼルの指には、小さな茶色い角砂糖…?
「口を開けて?」
「うん」
あーんと舌を伸ばしてコノエは小さな塊を受け入れる。
美味しいけれど…角砂糖じゃない…。
「これ、何?」
ころころととろとろと、舌の上で遊ぶ甘い塊の感触は暖かくまろやかで、
だけど頭の中が痺れるようなむせ返る香りに、コノエはラゼルの肌に触れたときを思い出す。
「チョコレート、という菓子だ。
二つ杖の自慢の嗜好品、ヴェルグもお気に入りだぞ。」
ラゼルの口から出たヴェルグという名前にむっとするコノエの頭をなでると、
ラゼルはコノエの唇の端、口の端についたチョコレートを舌で舐め取る。
「味見をさせてもらおうか…」
そっと唇を割り、舌を差し入れてラゼルはコノエの舌に咥内にからみつく甘さを堪能する。

「ふむ、我ながら上出来だな。」
ラゼルの言葉にコノエはまたパチクリと目を見開く。
「ラゼルが作ったの!?」
「ああ、猫たちではこのいい味は出せないからな。」
嬉しいだろう?と目を細めるラゼルにコノエはくるくると喉を鳴らして飛びついた。
「俺のため?ヴェルグじゃなくて?」
「ああ、もちろん。」
最近、ずっとヴェルグと閉じこもる主にへそを曲げていたコノエは
久しぶりにご機嫌の笑顔を向けた。

「私が腕を振るうのはお前のためだけだ、知っているだろう?」
もう一度唇を重ね、ラゼルはコノエの唇を重ねる。
一定時間毎に濃厚な幾種類ものチョコレートを食べさせられ、
ヴェルグが自宮殿でぐったりと力尽きていることを、
コノエは知らなかったしラゼルは気にしていなかった。
「うん、でも嬉しい。」
ぎゅぎゅうとラゼルにしがみつく。

「ただひとつ問題があってな…」
眉間に深く皺を刻むラゼルにコノエはおろおろと顔を覗き込む。
「なに、ラゼル。どうしたの?」
「いささか…作りすぎてしまった。」
ほら、示すラゼルの手にはいつのまにかこんもりと赤い器にもられたチョコレート、の山。
白と茶と黒…思いがけず綺麗なグラデーションにコノエはわぁっと声をあげる。
「俺、いっぱい食べるよ?ラゼルも食べて?半分こ!」

無邪気な提案に、ラゼルは眉間の皺を目じりに移した。
かつてなく上機嫌な憤怒の悪魔、
闇に潜む有象無象のものたちが見たならば恐れおののいたかもしれない、
だけどここにいるのは、彼と、彼が命を育む唯一の雛鳥だけ。
2人の時間は果てしなく甘やかで、ラゼルはニンゲンのお祭り騒ぎも悪くないなと感じていた。

「では、コノエ、今度はお前が食べさせてくれるか?」
コノエの指に口付けて、ラゼルがねだる。
いつもと逆の甘え方に、コノエはくすぐったい気持ちでチョコレートを指に取る。
愛しい人の唇から、その体内が全て自分だけの色に染まればいいのにと願いながら。

ラゼルはそっと唇を開く、今日の意味すら知らず自分のねだるまま、
特別な媚薬の菓子を与える小さき眷族に目を細める。
祈る神はとうにいないが、それでも彼は我知らず祈った。
願わくばこの小さき雛との時間がずっと続きますように。

拍手

PR
この記事にコメントする
お名前
タイトル
文字色
メールアドレス
URL
コメント
パスワード   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
この記事へのトラックバック
この記事にトラックバックする:
写メ日記:愚者猫
村正買うZE!!
装甲悪鬼村正 二〇〇九年一〇月三〇日、物語がはじまる。
アクセス解析
猫好きに悪い奴ぁいない
ヴェルグに愛
ヴェルグが!!
忍者ブログ [PR]