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バルドのせいで髭受にも目覚めたのです。
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妙にキリヲさんが好きです、今頃になってすごく好きです。声は前から好きだったけど。キリヲさん…アラビアンロストとハートの国のアリスにも出てるのか…アラビアンロストは声優さんはすごいけど割りとどうでもよく、世界観が気になるのね、極悪プリンセスええじゃないか。
しかし、そこのメーカーさんの次回…次々回作?のクリムゾンエンパイアがすごく欲しいんだけどいつ出るのだろうかー…今年年明けに雑誌の広告を見て欲しうてたまらんのに、すっかりアリス人気に負けてんだよにゃ~。
ああ、キリアキが読みたい…キリヲさんもグンちゃんも好きだけど、読めるけど、キリグンよりはキリアキ+グンアキがいい!しかしラメントだと、ラゼコノ+バルコノが好きで、なおかつラゼバルも好き!なんだなーわははーなんでじゃろ(*´д`*

さてバルド編できました。
ただの色ボケ親父にする予定がシリアスめになりました…というか…収拾つかなくなって…もっとポップなノリにするはずだったのに…とか色々言い訳したい。
テーマは!…んーとえーと
「ずるい大人の悲壮な片恋」?(疑問形なのか
…こう書くとすごく壮大な話みたいですが、案外そうでもない…こともない…なんなら「不憫な片恋」でもいい気がする…バルド不憫…何がって…読んで頂けるとまるわかりですが。呪術師がいたら「にぶにぶじゃのぅ」とつっこんでくれること間違い無しです。
あ、書いてから気づきました、コノエの方が大胆v

バルコノSS:闘牙賛牙なパロ
タイトル:「藍閃での初めての夜に・バルド編」↓


藍閃から賛牙がやってくる。

刹羅にとっては一大イベントだ。
なので本来なら派手な送迎式と歓待式を行うべきなのだが、繁殖期前の時期だし、式の準備に当てる時間を繁殖期の休暇前の仕事の追い込みに使って欲しいという理由で、バルドは辞退を希望していた。
幸いつがいとなる賛牙も了承してくれたので(彼は猫みしりなのでそう言ってくれるだろうとは思っていた)
闘牙長にそう依頼したところ、下に示しがつかないから略式でも誓約式だけはやってもらうと強行された。
まぁ、わかってたけどな…賛牙は闘牙にとってだけでなく、刹羅にとっての宝だからな。
賛牙と闘牙の誓約式は、通常の結婚式のようなものだ、ただし2匹のそれはつがいと言っても全て剣によるつながりでしかない。
事実婚という形にはなるが、互いに妻帯しようがしまいが自由というわけだ。
だから、バルドは年若い賛牙を自分のつがいとして受け入れた。
雌雄でえり好みをするほど殊勝ではない、ないが、その、なんだ、発情期も知らない子供を伴侶にというのは、さすがに趣味が悪いだろうという分別はあったので。

そう、子供だった、子供だと思ったのだ、つい七日月前の選考の際に見合わされたあの時も。
なのに…なのになんでなんで白い衣装を纏ったコノエはあんなに可愛くかつ色っぽいんだ!!
あれから大して経ってないよな?
まだ繁殖のシーズンまでまだ時間あるぜ?なんで急に?
俺何もしてないよな?
寝ぼけてやっちまったとか無いはずだぞ!?
式も終わった夜、執務室で1匹、バルドはとても余計なこともつぶやきながらじたばたと葛藤していた。

誓約式の衣装を着せられ控えの間で対面した2匹は互いの姿に見惚れあった。
幼い賛牙・コノエは自分の姿に戸惑いながらも、黒地に金糸の衣装を纏ったバルドを見て頬を染めた。
「あの、一応、形の上では俺が嫁ぐ側だからって…その、変だよな?雄なのに…俺も、やだけど、式が終わるまでだからって…。」
コノエはその場を取り繕うように言葉を連ねるが、バルドの反応が無いものだから、その声はだんだん小さくなりうつむいてしまう。
「あ、いや、すごく綺麗だぞ、うん、驚いた。おちびさんにそんな特技があったなんてな?」
悪戯っぽく片目を閉じて笑うバルドにコノエもほっと息を吐くと、バルドに調子を合わせるように唇を尖らせてぼやいた。
「顔にも首にも、いろんなもの塗られて、大変だったんだぞ。」
「いや、似合ってるさ本当に、見惚れる。」
うん、可愛いぞと言いながら優しく自分を見つめる眼差しに、コノエは頬を染めた。
「バ、バルドも、似合ってる…すごく。」

ああ、恥ずかしがりながら喋る顔だけじゃなくて、拗ねた顔までたまらなく可愛いと思っちまったんだよ俺ぁ…。
たはー、と大きく息を吐きながらバルドは机につっぷした。
溜まっている仕事に目を通すと言ってコノエを先に寝室に追いやったというのに、先程からやるべき事は欠片も進んでいない。
雄用なわりに肩口が大きく開いた白い長衣の礼服に、銀糸で蔦と花模様が刺繍されたヴェールを纏うのは花嫁の印、耳がくすぐったそうに揺れていた。
白く太いリボンが首に巻かれるのは大して目立ちもしない喉仏を隠すためだろうか。
そして、繁栄を表す緑葉と純潔を表す白い花で編まれた冠。
バルドがお気に入りのしっぽには、ちょうど鉤の部分に白いリボンが巻かれていた。
式の衣装や形式は全て、お決まりのものだからコノエと同じような衣装を纏った猫は過去に、そう多くはないが何匹も見たことがある。
中にはれっきとした雌だっていた、美しいと見惚れる美猫もいた。
だけどコノエだけが、こんなにもバルドの心を揺らす。
ざわめくなんてもんじゃねぇぜこれ…真剣にやばかったな…。
自分の賛牙でなければ、抱きしめて掻っ攫ってしまったかもしれん。
ぎゅっと目を閉じて、握り締めた両の拳を目頭に押し付ける。

自分の心が揺れる理由を、バルドはもう理解していた。
いい年して、ギリギリになるまで自覚が無かったのは情けないが、仕方が無い。
今までは、ただ小さいコノエへの愛しさばかりが勝っていたのだ。
父のように、兄のように何故かむやみやたらと慕われてるのはわかっていた、あの子は昔から自分にだけは感情を露に見せてくれていた。
コノエが笑いかける数少ない猫の1匹だと賛牙院の猫に言われて、少なからず嬉しかったものだ。
知らないうちに、大きくなってたんだよなぁ…。
はー…と今度は盛大な溜息が漏れた。

最悪だ、俺。

今まで気づかなかった反動のような、すさまじい照れとときめきと下半身に直結する欲望に散々じたばたしていたが、自覚したからといってどうにでもなるものではない。
というか、してはいけないと、バルドは結論づけた。
自覚と同時に出た答えだった。
ずっと、小さな子猫を閉じられた場所・賛牙院から出してやれたら、と思っていた。
世界を見せたいと思った、少しでも自分で生きる道を選べるようにと願っていた。
だからこそコノエが、自分の賛牙だと否応無しに賛牙院から通達されたとき、もちろん否と言う選択肢は無かったが、好機だとバルドは思った。
自分の賛牙になれば、刹羅の財産となり自由に旅をすることは叶わない。
それでも、祭りにすら出してもらえない賛牙院よりはるかに自由がある。
歌うこと以外の道だって、強くなりたいというなら俺が稽古をつけてやればいい。
つがいと言っても雄同志なら互いに妻帯も許される。
そしていつか、自分が死ねばコノエは自由になれる、そう思った。
それでいいと思った、それはコノエを自分の子供のように思っているからだと、思ってた。
気持ちに嘘は無かった、ただ、恋情だと気づいていなかっただけで。

今更、惚れているなんて言えるわけがないだろう。
自分はコノエに、何度も言ったのだ。
いつかいい嫁さんをもらって家族を持ち幸せになれと、そのために俺を利用しろと。
コノエは利用なんてとんでもないという顔で首を横に振ったが、俺も賛牙としてのお前さんを利用してるんだから気にするなと言い含めた。
家族になるんだから遠慮するなと何度も言った。
つがいではなく、家族になるんだと、心配するなと、何度も言った。
本当に、俺は馬鹿だと思う…。

コノエは嬉しそうだった、家族になると言ったときの笑顔は今までで一番可愛かった。
そんな可愛い笑顔と信頼を裏切るような不埒な真似が出来るか?
…待て、可愛いって思ったんならその時に惚れてるって気づけよ俺!
そのときならまだ…なんとかなってたかも知れない…ならないかもしれないがなんとかなってたと思ったっていいじゃないか。
バルドは、正しい決意をしたものの、やはりやるせなくごろんと絨毯に大の字で転がった。
耳と尻尾も盛大にへこたれうな垂れている。
今頃、コノエは眠りについただろうか…。
実は、書類仕事なんて明日一気に片付けてやるつもりだった。
つもりだったが…バルドは、一緒に風呂へと誘われる前に慌てて仕事を口実にコノエから逃げたのだ。
一緒に風呂なんか入ったら、何しでかすかわからんという自覚があったので。
…いい年して自分を抑える自信が無いってのは、どうなんだ?貶すべきか、それともまだまだ元気だって自慢していいのか?
たはは、と自嘲気味に笑って、バルドはゆっくりと身を起こす。
部屋、戻るか…。
寝ていてくれるなら、まぁ一緒に寝てもなんとか、そこまでケダモノではないつもりなので、なんとかなるだろう。

バルドが暖炉の火を消そうとした時、廊下の向こうで誰かが声を上げたのが聞こえた。
微かにだが、誰何する声だったのを性能の良いバルドの耳は聞き取っていた。
剣の柄に手をあて、扉に身体を寄せて様子を伺う、浮かれた祝い事の夜に冥儀につけこまれるなんてことが無いとはいえないのが世知辛いところだ。
瞳孔を細めて、耳をピンと張るがその耳に聞こえるのは規則正しい微かな足音と、はしゃいだ部下の声と可愛らしいコノエの声だった。
って、何やってんだ、よ!
バルドは、がばっと扉に張り付いた。
本当は一気に扉を開けて駆け寄ろうかと思ったが、「隊長に、張り切って無理しなさんなって伝えてください。」なんていうふざけた事を言う声が聞こえたものだから固まってしまった。
コノエはその意味に気づかず素直に了承の返事をしたが、部下が野暮な事を言ってるのは長年のつきあいでよくわかった。
あのクソボケッッ!!
怒鳴ってやりたかったが、もうひとりの部下にひきづられるようにして件のクソボケが去りコノエが動く気配がしたので、バルドは慌てた。
と、とりあえず仕事だな!
動いた途端にコンコンとノックの音がして、慌てて椅子にとびついたものだからガタガタッといい音がしてしまったが仕方が無い。
「どーぞー。」
いかにも仕事してましたよという風情で、バルドは笑ってコノエを出迎えた。

眠れないというコノエに、バルドは刹羅と藍閃の気候の違いを失念していた自分に気づいた。
刹羅では強い風が吹く、今夜などはまだ普通なのだがそういえば藍閃の夜はもっと静かだった気がする。
自分を責める事も無く、自分の側にいたいと言う子猫に愛しさが募った。
「ああ、冷えるとよくない、暖炉の前行きな。」
「うん、ありがと。」
暖炉に寄り、もぞもぞと毛布にくるまるコノエを盗み見てバルドは目を細める。
2匹分の毛布なのだ、コノエには両手に余るどころかその毛布1枚で寝床になってしまう、それをずるずる引きずって歩く姿は、絵物語に見た小動物かまんまるい妖精のようじゃないかと。
気分は上向きになり、取り繕うために持ったペンが良い感じにすべり仕事がはかどる。
コノエが手足をすり合わせるのが見える。
くつろぎ始めるコノエに先程の迷走した気分はどこへやら、いい気分になり折角だしもう少し仕事をするかとペンを進め、バルドはそういえば入ってきた時のコノエは裸足じゃなかったかと顔を上げる。
椅子から立ち上がり、丸まるコノエに声をかけると返事が無い。
そっと顔を覗き込むと、すーすーと安定した寝息をたてていた。

やっぱり疲れてるよなぁ…。
3日間、昼間は歩きっぱなしで着いた途端に式だった、身体だけじゃなく気疲れだって相当のものだろう。
「お疲れさん、頑張ったな。」
眠るコノエの頭をそっと撫でると、むにゃむにゃと口を動かし尻尾がゆらんとゆれた。
バルドは自分の尻尾をしゅるしとコノエのそれにまきつけた、ぴくと一瞬コノエの尻尾は反応したがそれだけだった。
少し物足りない…。
寄り添う尻尾だけで満足できない自分に、バルドは苦笑する。
気持ちはとても穏やかなのに、ひどく貪欲にもなっているようだった。
毛布ごとコノエを抱きしめて、左膝に乗せる。
自分の胸に顔を埋めるように丸くなるコノエの両手をとり、自分の両手で包み込んだ。
やはり先が少し冷えている。
それじゃぁ足の方はと、右膝と右腕でコノエを支え左手を伸ばして触れてみると暖炉のおかげでだいぶマシになったのかもしれないが、桜貝のような爪のついた足先はひやりとしていた。
「馬鹿だなぁ、お前さん…ベッドで丸くなってりゃいいのに…」
爪先を暖めるように揉みながら、バルドは右腕でコノエの頭を抱き寄せる。
自然に頬ずりし、たまらんなぁと呟く。

コノエは、昔はもっと遠慮がちで表情に乏しく、時折泣きそうな目で唇を噛む子猫だった。
けれど、自分の前でそんな寂しそうな顔はさせたくなかった。
だから、もっと甘えろと言った。
懐かれて、怒ったり笑ったり拗ねたり涙を零したり、そんな顔が見れる度にほっとして抱きしめた。
コノエに、側にいたいと求められる事はとても嬉しいのに、今はやたらと切ない。
自業自得だ、だけど、コノエの気持ちが自分と同じならと願わずにはいられない。
都合のいい事を考えている。
親子ほども年が離れ、つい昨日まで自分も親代わりのつもりだったくせに、なんて酷い奴なんだろうな俺は。
クルル…とコノエの喉が鳴り、バルドは泣きそうになった。
自分の腕の中を心地いいと、少しでも感じてくれたのなら、それで充分満ちたりている筈なのに。
まだ、足りないと思っている。
なんて浅ましくて、貪欲なんだ。

涙代わりの溜息をこぼし、バルドはコノエの手を取った。
毛布の中にくるまれていたそれは、すっかり温かさをとりもどし安心する。
そして、コノエの左手の薬指に嵌められた指輪に目を留める。
「我と汝、剣と歌、常しえに寄り添うもの也。」
誓った言葉に嘘は無かった、今だって無い。
けれど、バルドにはひどく滑稽で醜悪な言葉だった。
いつか旅立つ小鳥を、自分が生きている限り無理やりに繋ぎとめる鎖、そう思えてならなかった。

そっと、指輪に口付ける。
俺はいつか刹羅の為に死ぬ。
だからそれまで、側にいてくれコノエ。
いつか必ずお前を自由にするから、お前が自由になれるまで俺が絶対に守るから。
どうかそれまで側にいてくれ。
愛しい、俺の、俺だけの賛牙。

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装甲悪鬼村正 二〇〇九年一〇月三〇日、物語がはじまる。
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