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VOL.3ってあったの
そ、それってバルド編てことだよね!!!!!
シュイリー編じゃないよね!?
期待してもいいですか。
本気で心配…ありそうで恐ろしい…
だって今までアレがソレだったから…
さて、「ヴェルグ可愛いんじゃね?コノエとセットがいいんじゃね?」熱があがったので書いてみました。魔物パロの日常SS…ですよ。
でも魔物パロ設定がまったく関係ないのでまったく生かされてないので…ただのパロでいいですもう(何
バルコノなんだよと言い切れないSS
タイトル:甘党な2人 甘党好きな2人-金の獣番外-
※バルドはヴェルグの部下の虎魔獣です
※コノエはラゼルのペットの猫魔です
※ラゼルとヴェルグは悪魔です
※でも今回はそんなこと全然気にしなくてOKです…orz
「これとこれとこれっ!」
「あ、チビ子!1つ多いだろ!」
「だってこれとこれとこれがいいもん!ヴェルグだってモンブラン好きだからいいじゃん!」
「あー?んーまぁいいけどよ、じゃぁ最後の1つはこれだからな!」
「えーそれモカのムース挟まってんじゃないの?俺苦いのいや~。」
「ばっか、これがいいんだろう、この苦味がバナナとチョコのド甘いのに合うんだって。」
嬉々としてケーキを選ぶコノエとヴェルグ。
その横で、にこにこと見守るバルドに、やれやれと目を伏せて紅茶のメニューを開くラゼル。
「どうする?」
「あ、俺アメリカン、ホットな。」
「ねーねーヴェルグ、ここの果物の紅茶あるんだって!どれにする?」
「あー?桃、に巨峰…ってどんなだよ。」
「えー俺桃好きだなー。」
「じゃぁ俺巨峰いくか…一口よこせよ?」
「うん、俺にも一口ねー。」
本気で凄むヴェルグにコノエはにっこり笑って小指を立てる。
ゆびきーりげんまん、と男の誓いをっとりつけるとウキウキとウェイトレスを呼び注文を告げる。
いやそこは俺とかラゼルの旦那じゃなくていいのかコノエ…。
「仲、良いよなぁ…。」
「…。」
ラゼルはすっかり会話を放棄している、懸命だ。
甘いもので盛り上がる2人は微笑ましいが、正直おいてけぼり感が否めない。
美味いもんなら俺だって作ってやるのにな~…と少し寂しく思いつつバルドは席を立った。
「悪ぃ、煙草吸ってくるわ。」
「うん、いってらっしゃーい。」
「あ?匂い取れるまで戻ってくんなよ。」
「ヴェルグひどーいっ自分だって吸うクセに~。」
「るせっケーキ屋に煙草は邪道だろうが。」
「あ、それは正しい。あれ?ラゼルもー?」
コノエの言葉に、ラゼルは微笑み軽く手を振りバルドの後に続いた。
季節柄、外のテラス席に人影は無い。
少し肌寒い風を受けながらバルドは煙を吐き出す。
あー…生き返る…。
「おー、旦那も?」
「ああ。」
「火、いるかい。」
炎の悪魔様に無粋だったかとは言ってから気づいたが、ラゼルがさも当然という風に答えた。
「頂こう。」
バルドはライターを持ち上げる、だがラゼルは煙草を咥え少し屈むとバルドに顔を近づけた。
ぎょっとして、煙草を思い切り噛み締めたバルドにはそ知らぬ顔で、バルドが噛み締めている火先に自分の煙草をそっと重ねる。
チリと小さな音を立てて火が、ラゼルの口先いかにも上等そうな煙草に移る。
「…美味いな。」
「旦那、甘いもん嫌いだろ。」
「嫌いでは、ないがな。」
「まーあんだけ甘い匂いしまくってちゃなー。」
ダビドフ好きにゃーキツイだろー、と続けるバルドに、珍しく素直に困った顔でラゼルは笑った。
それはとても年季の入った悪魔には見えず、偶にはこんなのもいいじゃないかとバルドは煙を吐いてにんまり笑った。
いい気分になって、テラスの欄干にもたれてそのまま後ろにぐっと伸びをする。
「あー…いい天気だ。」
テラスの窓の向こうに目をやると、コノエが気づいて手を振った。
ヴェルグは帰ってこなくていいぞとばかりに手を前後にふっている。
かと思えばお待ちかねのケーキの到着に、蕩けそうな笑顔を浮かべている。
普段は喧嘩ばかりでじゃれあっているが、甘党な2人はなんだかんだで気があうのだ。
特にヴェルグはコノエの幼い頃の可愛さが忘れられず、あいつは甘いモン食う時だけは素直なんだよなと月に一度は誘いをかけるくらい結構メロメロだったりする。
なものだからこんな時、甘党でないバルドとラゼルは置いてけぼりだ。
だったら一緒に来なければいいのだが…ラゼル曰く、本当に来なくていいと言われるのは寂しいもの、らしい。
昔ヴェルグと2人でいいよとコノエに言われてな…とぽつりと語ったラゼルはどこに地雷源が潜んでいるかわからず、つっこんで聞けなかったことをバルドは少し悔やんでいる。
なんだかんだで、この御仁もメロメロだよなぁ…。
でもま、確かにうちの大将だけじゃなくコノエにまでそんなこと言われたら…俺も泣くかもしれん。
いや、旦那が泣いたかどうかは知らないが。
そんな部下&保護者心を知ってか知らずか、楽しそうに皿のケーキを取り合う2人にバルドとラゼルは目を合わせて微笑みあう。
「可愛いねぇ、メロメロになってやんの。」
「楽しそうで、何よりだ。」
「まったく。」
ご機嫌なヴェルグとコノエを見て、オトナな2人は満足げに笑う。
それはケーキにメロメロになってる2人からはとても仲睦まじく見えて。
「何、あのラブラブ。」
「…ケーキ屋に恐ろしく似合わねぇな。」
「そだねーバルドは黒スーツだし…あ、ヴェルグそれもう一口ちょーだい?」
「あー?んじゃそのマンゴーよこせよ。」
「えーヤダ!」
「ヤダじゃねえよ、ずるいだろそりゃ!」
「んじゃ半分こは?」
「しゃーねーな、それで勘弁してやるよ。」
ほれ口開けろ、とフォークの先にチョコムースの芸術品をつけて差し出すヴェルグ。
わーい、とパクンと食いつくコノエ。
バルドは耳がいい自分を呪った。
そこは旦那か俺に妬くとこじゃないんですかねお2人さん…。
歯牙にもかけずケーキにメロメロであまつさえ、食べさせっこって…あ、やっぱちょっと寂しいかも。
ズーンとブルーな空気を背負って、しゃがみこんでしまったバルド。
ラゼルは愉快そうに口元をゆがめてその頭をぽんぽんと撫でた。
「そのうち、嫌でも慣れる。」
だから安心しろ、というのは旦那なりの慰めなのか。
自分にまで、いつもよりも格段にお優しいラゼルに、バルドはとても親近感をもった。
なんだかんだ言ったって好きなものは仕方が無い、甘党な2人の蕩ける笑顔につられて俺はまたお供しちまうんだろうな。
そうするとこの寂しさからも逃げられないわけだが…ま、こんな旦那が付いてくるんだそれも悪くないさ。