忍者ブログ
バルドのせいで髭受にも目覚めたのです。
[101]  [100]  [99]  [98]  [97]  [96]  [95]  [94]  [93]  [92]  [91
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

昨夜、ラゼヴェルを書くぞ!
あ、バルコノもねvと思ったら何故か…新しいパロシリーズが出来ました!!

シリーズ増やしてどうするのかああああああああ
と、自分にツッコミを入れてみまし…た。
でも、まだバルドとラゼルしか出てきません。
一応、これから話の中身はバルコノにするつもりのシリーズなのでカテゴリは「SS(バルコノ)」です、なんかこう…自分で作ったカテゴリなのにどう区分するか困るのって変ですよ、ね。このシリーズはバルコノのつもりですが、このなかでラゼヴェル書けたら…カテゴリどうしようかなーははは…。
素直に2人のイチャイチャを書かないですみません。
でもなんか妄想できあがっちゃったんです…orz
ちょっと、バルドかっこいいかなーと思うんですけど、どうでしょう。今年の目標に近づけましたでしょうか、ドキドキ。

バルドSS (出演:バルド・ラゼル) 
タイトル:金の獣 1 ↓

月に向かって虎が吼える
何も求めぬ祈りも持たぬ
ただおのが命を示すために


なんでこんなチャチな喧嘩に顔をださにゃーいけないのかねぇ…
高く積み上げられたコンテナの上に立ち、
堅苦しいスーツを脱ぐと、バルドは盛大に溜息を付いた。
下ではニンゲンたちが、銃器を持ち、
あるいは物陰に潜み暗器を駆使し、互いの命を奪い合っている。
ニンゲン同士の小競り合いなどどう転んでも構わないと言いたい所だが、
主人はきっちりカタをつけて来いとバルドを蹴飛ばし送り出したのだ。
ならば、こちらの良い様に事を運べと言う事だろう。
確かにこれだけの規模の喧嘩は久しぶりだし、
わざわざ出向いてやったのだと恩を売るのも悪くない。

だが、正直、小細工は面倒だ。
しかもここにいる連中は可愛げも面白みもない、ただの兵士。
いっそ敵も味方も全部かみ殺してやろうか…。
イライラと髪をかきむしり、物騒な考えを振り払う。
「あー、やばいなこりゃ、欲求不満だ。」
やれやれと天を仰げば満月、夜だというのに明々と下界を照らす。
こんな夜に仕事をさせる主人も主人だ。
加減できないことなど、知っているだろうに。

「気が、乗らないようだな。」
突然の背後からの声。
ビクッと肩が震えるのを隠せなかった。
「あのな赤の大将、いい加減に気配より先に声を飛ばすの止めてくれねぇか?」
バルドのげんなりした声に、声の主、赤い髪の青年、ラゼルは微笑む。
「健気に動揺を隠すお前が可愛くてついな…気をつけよう。」
といって、また同じ事をして遊ぶのだこの男は。

「こんなおっさん苛めて喜ぶとは、悪趣味だな。」
「趣味の幅が広いだけさ。
 ここが終わったら、コノエのところに行け。しばらく預ける。」
「あ?」
「いやか?」
「いや、もちろん大歓迎だが。」
「そうか、ではまかせる。」
「褒美は?」
「下の連中の分別と後始末。」
「地味だな。」
「ヴェルグのご機嫌取りも引き受けよう。
 あとは…コノエにもらうだろう?」
深紅の瞳を細めて、これ以上のものがあるのなら言えとばかりに、
傲慢に慈悲深く、ラゼルは微笑む。

「…目に付く奴はやっちまって、いいんだな?」
「ああ、お前はものわかりのいい、良いこだ。
 ヴェルグだけのものにしておくのは、勿体無いかな?」
すぃっと片手をのばし、ラゼルはバルドの顎から頬にかけてするするとなでる。
飼い猫を愛撫するようなその手の動きは、
ラゼルがお気に入りにだけ示す行動だと最近知った。
やれやれ、とバルドは溜息をつく。
「うちの大将の機嫌をとれるのは、あんた位だ、おまかせするよ。」
ラゼルの手がそのまま首から胸元へ下がり、
ネクタイをゆるめてくるのに流石にぞぞぞとして慌てて振り払う。
バルドは自らネクタイを外しシャツを脱ぎ捨て、ラゼルに背を向け駆け出した。
「下は脱がないのか?」
「ほっとけ!」

真剣に危なかったかも知れないと冷や汗をかきながら
コンテナを2段ほど下り、月を見上げ、すーっと息を吸い込み、目を閉じる。
心臓が跳ねる、瞳孔が開く、体が軋む、それは心地いい痛みと解放。
鼻が伸び、口は避け、耳は頭上でぴんと立ち、
その四肢は太く、爪は輝く刃に変わる。
軽やかにコンテナを蹴り、
重くしなやかに四ツ足で地面に降り立つ、金色の獣。
凛々しい琥珀の瞳 黒と金の毛並み
それが月に囚われたバルドのもうひとつの姿だった。

不機嫌に艶やかな尾をゆらし、油と泥の香りがするニンゲンを噛み砕いてゆく。
その血は少しも熱くなく、甘くも美しくもない。
戯れのような正義との葛藤も、たぎる様な欲望も持たず、
命令に唯々諾々と従うただの人形の血、それはバルドの一番嫌いな味だった。
せめて1匹くらいは、澱んだ正義や欲望に身を染めていてもいいものをと思ったが、分別をするとラゼルは言っていた、とうに回収してしまったのだろう。
おもしろくねぇなぁ。
グルル…とうなり声をあげ、その感想すら意味のないことだと思うが最後、バルドは月の狂気に身を委ねた。
何も考えるな、久しぶりに狩りをしよう。
戯れに、自尊心のためだけに、俺たちを狩りつくしたニンゲンのように。
決して命を繋ぐことのない、愚かな狩りを楽しもう。
バルドは白い炎を纏い、金色の雷を散らし、地面を蹴る。


ラゼルは愉快そうに、血の色を求める獣を眺める。
深い怒りを宿しながら快楽を求める虎猫、可愛い子猫を預ける程度には、使える獣だ。
「虎もなかなか、魅力的だな。」
ちらりと牙を覗かせて、ラゼルは宙に溶けて消えた。


月に向かって虎が吼える
何も求めぬ祈りも持たぬ
ただ目の前の血肉の山を
ここに築いた 証のために

拍手

PR
この記事にコメントする
お名前
タイトル
文字色
メールアドレス
URL
コメント
パスワード   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
この記事へのトラックバック
この記事にトラックバックする:
写メ日記:愚者猫
村正買うZE!!
装甲悪鬼村正 二〇〇九年一〇月三〇日、物語がはじまる。
アクセス解析
猫好きに悪い奴ぁいない
ヴェルグに愛
ヴェルグが!!
忍者ブログ [PR]