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バルドのせいで髭受にも目覚めたのです。
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これはちょっとしたエピソード的な。
バルドの間男っぽさとかご機嫌取りしなきゃいけない具合とか、
コノたんちに行けるウキウキ感の初々しさとか、
上司たちに仕組まれてる感じとか、を感じて頂けると嬉しいのですが。
どうだろうドキドキ。
ちなみにこの3は、1と2より前の頃です。
時系列を縛ると自由がきかないと思いながら…。

ところで、ヴェルグの出番はどうしたとかは、私が一番思ってるので!
何卒生ぬるく見守ってください…orz

バルドSS(出演:バルドのみ)
タイトル:金の獣 3 -与えられた蜜月-↓

子猫の世話を頼もうか
と言われたときは処分前の厭味かなとヒヤリとしたもんだが
公認の仲になっちまったもんなぁ…。

甘い匂いの箱を持ち紫煙を揺らしながらバルドは歩いている。
一仕事終え、血を浴びて戻ったバルドは眠る間も無く主人の元を追い出された。
いつもならば虎の毛並みを堪能したがる主人が珍しくも、とっとと風呂と着替えを済ませて子守に行けと小遣い付きで放り出したのだ。
表情豊かな彼の眉間の皺などいつもの事だといいたいが、さっきのそれはそれはもう血管まで浮き上がって不機嫌このうえ無いという有様だった。
赤髪の大将に何を言われたのやら、ちびんとこ行ってこい!2、3週間帰ってくるな!と八つ当たりのようにどなられた。

赤髪の大将ことラゼル、とバルドの主人は旧知の仲…らしいが、いささかバルドの主人の方がやりこめる回数が多いらしく、関わるときには注意が必要だった。
恩の押し売り、よくあることだ。
あるいは謝礼の先渡し。
今回のは、後者かな?とバルドは主人の反応を思い返す。
しかし、バルドの貸し出し料金にしてはラゼルの子猫は上等だった。
時折気まぐれに、子猫のご機嫌取りだけにバルドをひっぱりだすこともあるが…。
一晩眠らずのだるさはあったが、子猫の元へ行けとはむしろ望むところなので適当にスーツを拝借して、お守りの子猫ちゃん好みのケーキを見繕い、熱を冷まそうと閑散としたビル街を歩いていた。

2,3週間がっちりお泊りって…もしかして、つがいにして子供でも作らせる気!?
…なわけねぇか俺らじゃどっちも産めねえしな。

ラゼルの子猫、コノエが自分に懐くのは、同じ猫科の化け物同士というのもあるだろうが、早くに別れた生みの親を重ねられているのだと思っている。
2人の時に見せる、我侭な子供の無防備な顔は自分だけのものだと思いたかった。
バルドにとってコノエは、ラゼルの与える餌であると同時に愛すべき日常だった。
もっとも、親なら夜のお守りまではしねぇなぁ。

クククッと喉を鳴らすと、バルドはガラス張りのビルの手前で短くなった煙草を燃やし尽くした。
ビルの中はラゼル以外は絶対禁煙…らしいので、バルドはそこでそうするのが習慣になっていた。
コノエが見せる幼い仕草と無邪気な顔、そして夜の淫らな表情は無意識なのかラゼル仕込みか、なんにせよ、バルドにとっても子猫は破格の抱き心地で。
初めに誘いをかけられて、子供相手に?と一笑に付したはずがどういうわけか忘れがたく、初物でもないというのでうっかり頂いたが最後、懐かれ縋られ甘えられ、何よりバルドが子猫を手放せず、どうしたもんかと思っていたらコノエの飼い主からの世話係宣言に、今では堂々とした間男生活を送っていた。

さて、子猫ちゃんのご機嫌はいかがかな?

鼻歌まじりに歩を進める、土産が無ければ一息に壁の中を飛んでいたかもしれない。
主人とラゼルの思惑が何にせよ、バルドは時が来れば動くだけだ。
ならば、与えられた褒美を思うままに味わってしまえばいい。
あくまでも前向き、悩んでも仕方が無い、それが主人の元で学んだバルドの信条だった。

そう 今はただ蜜月を望むだけ。

 

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写メ日記:愚者猫
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装甲悪鬼村正 二〇〇九年一〇月三〇日、物語がはじまる。
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