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あ、仕事決まりました!!イェーイやったー!!
宴2行く!!行ける!!自分的祝いはそれ!!
昨日面接だったのですが前日の夜に履歴書と職務経歴書書いてねって言われて書いてたSSそちのけで書いて、ガチガチでも頑張って面接受けた甲斐がありました。来月1日から電話のお仕事です。早起きになるので、今週から早寝早起きの練習をしなくては…けど夜更かし禁止って辛いわぁ…orz なにはともあれ続けられるよう頑張ります~。
ちなみにタイトルの七転八倒とは、SS載せる前のことです。
甘いの出来上がったとき読み返すと特にそうです。
勢いよく真夜中にでけたときは、割りと勢いよく載せられますが、ちょっとづつちょっとづつ書いたものや早い時間帯にでけたものは、特に甘くなっちゃった場合(甘いのばっかですが)はばっちり恥ずかしがって悶絶します。とはいえ、甘いのしか書けないのかなとわかってきたのでだいぶ開き直れてますが。
いつも拍手ありがとうございます。SS載せる勇気とやる気を頂いてます!!
バルコノSS(現代パロ 嫁not着物)短いです。
タイトル:「卵焼き」↓
※このお話は、現代ものっぽいパロディです。
※コノエさんは30才の作家さんです。
※バルドさんは51才の町の小さな定食屋の旦那です。
※たぶん2人はニンゲンです。
バルドは卵焼きを作るのが上手い、と思う。
コノエはもぐもぐとバルドが作ってくれた弁当を食べていた。
コノエが連載雑誌の打ち合わせと、別の出版社の取材のかけもちで出かけると言ったら、それじゃぁ、と持たせてくれたものである。
実際のところ、先に打ち合わせのあった編集者がお昼もと誘ってくれていたのだが
天気も良いし、と昼食は辞退してコノエは最寄の公園で1人のんきに弁当を味わうことにしたのである。
今日は仕事なので、スーツを着ている。
ビジネス街なのでまだ人もまばらな公園である
端から見たら、失業中のサラリーマンに見られてたりして…。
コノエは首をかしげてみるが、周りは鳩ばかりである、そんなに気にすることもなさそうだ。
OLさんのお昼休みってこんなのかなぁ…。
もぎゅもぎゅとちょっと不思議な噛み応えはチンゲン菜、醤油味が丁度いい。
そしてまたコノエは卵焼きを食べる。
コノエは卵焼きが好きである。
外はちょっと焦げ目がついてふっくらして、
出来れば中は少しトロッとしているのがベストだと思っている。
そしてもちろん、卵焼きは甘くなくてはいけない。
もぐもぐとバルドの卵焼きを堪能し、コノエはうっとりとする。
出来立ての卵焼きもいいけれど、冷めて固くなって
中のとろみが白いぷるぷるになっている感触もたまらない。
バルドの作るものは、いちいちコノエの好みに合うもので、
しみじみとバルドがいないと生きていけないなぁと思った。
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バルドは開店前、一足早く昼食をとる。
とはいえ、今日はできたてではなく、
コノエのと同じ弁当を作っておいたので引っ張り出す。
そこには、卵焼きがコノエの2倍入っていた。
理由は簡単、失敗作だからだ。
ぱくりと口に入れる、だしの具合とうすい塩味が絶妙だな、うん、とバルドは満足げに頷く。店に出す分には問題はない、けれど…。
「ちゃんと弁当食ってくれてるかなー、奥さんは。」
コノエには愛情たっぷりの甘口卵焼きと決めているバルドだった。
バルドは、ふっと微笑む。
初めてバルドの作った卵焼きを食べたとき
コノエが一瞬見せた、困ったような顔が忘れられない。
美味しいと言っていたが、やはり少し困惑して、物足りなげだった。
バルドは更にふにゃっと表情を崩す。
可愛い恋人の好みは、あの頃からあまり変わっていないのだ。
初めてコノエに甘い卵焼きを焼いたとき、コノエの反応の可愛かったこと…。
目をパチクリさせて、バルドを見、目が合うとさっとそらしてしまう。
美味いだろう?と少し意地悪に聞くと、頬を染めて頷いた。
そして小さくありがとうと、言ったのだ。
あのとき、よく頑張ったよな俺…。
出会った頃からコノエは可愛くて、下心なんて無かったつもりが
いつのまにか愛情+イケナイ欲望がてんこ盛りに増えてしまい、
20才になったばかりの子供に手を出しちゃいかんと、鉄の理性で耐えたっけ。
あの頃はまさかコノエを嫁にもらえるなんて思ってもなかったよなぁ…。
幸せになれて良かったなぁ俺…。
もぐもぐと卵焼きを噛み締めるバルド、
その塩味はバルドの心の涙の味かもしれない…。
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コノエは甘い卵焼きを食べるたび、思い出すことがあった。
バルドと出会ったばかりのころ、昼間食べられなかった弁当をそのままバイト先にもって行ったことがあった。
ひょいと卵焼きをつまんで口に入れたバルドは、口に手をあて何か考えるかのように視線をぐるりとまわした。
「…甘いな。彼女のお手製かい?」
茶化すような口調に苦笑しながらコノエが自分で作ったと答えると、
一瞬目を大きく開いたが、すぐににかっと笑って楽しそうに言った。
「なるほど。お前さんの好みか。」
「…そうですけど。」
「そうかそうか…ははは。」
「なんすか。」
「ん?いやいや、可愛いと思ってな。」
そういってバルドはコノエの髪をぐしゃぐしゃと撫で、仕事に戻っていった。
そのあと、仕返しにバルドの夜食の卵焼きをつまんでやって、バルドがコノエを可愛いと言った意味がすぐにわかった。
バルドの卵焼きは甘さよりもほんのり塩味が強かった。
美味しいし確かにこっちの方がご飯に合いそうだけど、何か物足りないと思った自分はお子様舌だったなぁと、コノエは1人照れた。
もっともその味覚は今も大して変わっていないのだが。
あの頃は、学生ってだけで散々子供扱いされてた気がするなぁ…。
子供扱いされる理由はそれだけでは無かったのだが、コノエは自分が世間知らずな学生だったからだと今でも素直に信じている。
というかそもそも、子供扱いというより可愛い子扱いだったわけだが、もちろんコノエはそれを知らない。
バルドの事を芋づる式に思い出すたび、卵焼きのだけではない、くすぐったいような甘さを感じてコノエは頭をぷるぷると振った。
もしかしなくても…甘やかされてる自覚はある。
「ごちそうさまでした。」
弁当箱を片付け手を合わせて小さくそう言うと、コノエは公園を出た。
取材が終わったらバルドにお土産を買って帰ろう。
うんと甘くてバルドのほっぺが溶けてしまうようなデザートを。
自分ばかりがバルドの甘さに溶かされて、
それはなんだかとても不公平な気がするから。
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これを読んでくれた貴女様が
卵焼きを食べたくなっていたら私の勝ちです。(真剣)
2人離れたところにいても
バカップルぶりを炸裂させちゃうバルコノってすごいよね☆というお話。
むしろすごいのは私の煩悩ですか、ねー。