[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
暑くなると脳みそが働かない透乃です。
えーと忙しいわけではないのですが、心が忙しいというか余裕がないのでご無沙汰を致しておりますです。
折角の季節行事なので、七夕にのっかってSS復活しようと思います。
今回も現代パロです、えっちぃのどころかイチャつき度も少ないです。
書いてる本人はエロ好きなのに不思議だなぁ!
暑いからです、…てかもうすっかり熟年夫婦です、この2人。
枯れてるわけではないんですが~、まぁ、ほれ、毎日やってたらコノエの身体ももたないし!(言い訳ですよ言い訳ですとも。)
バルコノSS:ニンゲン化パロ
タイトル:「七夕の過ごし方」↓
※このお話は、現代ものっぽいパロディです。
※コノエさんは30才の作家さんで普段はお着物です。
※バルドさんは51才の町の小さな定食屋の旦那です。
※たぶん2人はニンゲンです。
七夕の日は、笹を飾ってそうめんを食べる。
海外暮らしが長かったという割りに、バルドは昔ながらの習慣や料理に詳しく、マメだ。コノエに会ってから資料探しにつきあう内、なんとなくはまってしまったと本人は言う。
店先の笹を飾るのは、コノエの仕事だ。
7月に入ると仕事そっちのけで、どこからか色紙を引っ張り出してくる。
バルドは嬉しそうに、コノエ作の謎の紙細工にこよりを通してくれる。
短冊と一緒に笹を飾っておくと案外いい客寄せになるらしく、毎年はりきって青々とした笹を仕入れてくるが、コノエはどこかの竹薮からむしりとってきてるんじゃないかと密かに心配していたりする。
今年の飾りのメイン、金色の流れ星を作り終えるとコノエは会心の笑みを浮かべた。
「バルド、これ一番上につけていいかな?」
「おーまたキラキラして綺麗だなー…これはー…(三角にビラビラしたこれはイカ…いや星絡みだから…火星人のタコか?)」
「ん、流れ星!今年は上手く出来ただろ?トキノに作り方教わったんだ。」
エヘンと笑うコノエに、うっかり感想を口走らなくて本当によかったとバルドは冷や汗を流した。
「脚立借りるなー。」
「おっと、待て待て、そんなの上ったら裾割れて見えちゃうだろう。」
「…別に誰も気にしないと思うけど…。」
「俺がする!」
そう言うとバルドは後ろからコノエの太ももに腕をまわすと、そのままよいせっと持ち上げた。
「わわっわ。」
「ほーれ、コレなら届くだろ?長持ちしないからさっさと付けちまいな。」
「う、うんもうちょっと…」
ひとしきり腕を振り回してバランスを取り戻したコノエは、
絶対こっちの方が恥ずかしいと思いつつ、まあいいかと呟いて迷作・流れ星をくくりつけた。
「バルド出来た。」
「んー、いい感触。」
すりすりと、腰から下に感じる熱源はバルドの頬刷りだったらしい。
「…出来たってば。」
「んぉ、早いな。まだ平気だぞ。」
「俺は平気じゃない。」
「なんだー感じちゃったかー?」
まいったなー、と照れるバルドの髭を左右に引っ張って、ようやくコノエは解放された。
ちなみに、何年も何年もこんな感じで2人が笹を飾るものだから、
ご近所の皆様の間で、ここに願い事をすると恋愛成就と夫婦円満が叶うというジンクスがあることを
コノエはまだ知らない。
七夕の日は笹を飾って、そうめんを食べる。
昼もそうめんを食べて夜もそうめんを食べる。
昼間は色々乗せてぶっかけ(もちろん冷たい)で栄養満点に。
夜は氷たっぷりさっぱり冷やしそうめんで。
なので手抜きではないらしい。
今年は、つゆに輪切りにされたオクラが浮いている。
今年の星はコレらしい。
去年は星型に切った小さなにんじんのグラッセだった。
恋人のまめな気遣いにコノエはくすりと笑う。
「どした?」
「ん?俺、オクラ好き。」
「そうか。」
「うん、ありがと。」
いやいや、にひゃりと笑って返事をするとバルドはコノエの頬にキスをした。
コノエもバルドの頬にキスをして、にっこり顔を見合わせて2人は手を合わせる。
年に1日じゃなく365日、君といられることを感謝して。
「「いただきます。」」
今年も2人は笹を飾ってそうめんを食べる。