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バルドのせいで髭受にも目覚めたのです。
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エイプリルフールです。嘘で遊んでいい日です。
なので、嘘とか虚言とかうらはらとかそういうのが一番似合う悪魔、フラウドで書いてみました。
でもうちのフラウドは嘘つきません。
言葉遊びは好きだし隠し事はするし本当のことでも言わないこともあるし、そう余計なことは言うのに肝心なことは言わないとかあるかもしれませんが、まぁとにかくコノたんに嘘はつきません。

その代わりコノたんはほんとのことを言いません。
言うと認めるようで怖いので、言うと離れられなくなるので、一方的な恋の被害者のふりをしているのです。…というのがフラウドのコノたんへの認識です。
なのでこのコノたんの気持ちはほんとか嘘かよくわかりません。
でも本当のことを言わないのも、嘘つきだと思うので、とにかく2人とも嘘つきです。

※スミマセンパラレルです。前のSSの続きみたいな感じで。
イメージとしては、フラウド:黒系?バンドマン 
コノたん:そのファンだった未成年(フラウドに捕獲され)


フラコノSS:「嘘つきな子猫」↓


世界の全てが嘘でもいいんだ 
君のことだけ 信じるから
だって君ほど嘘が下手な子を 僕は知らない


ガヤガヤとにぎわう会場の中、むせ返る汗とアルコールの香り、
なにより人酔いでぐったりとしたコノエは空気を求めて、
モノと人がごたごたとして落ち着かない通路を横切り非常階段の扉を開く。
深夜の冴えた空気が顔に当たりほっとするが、
裏道にあたるそこは何かの腐臭がしてコノエは逃げるように階段を上がる。
さほど高くないビルだが、ちょうど線路の側にあるので屋上まであがると空まで開けていて心地いいのだ。
と、フラウドが言っていたのを思い出し、どうせ会場にいてもすることもないのだしと屋上を目指す。

カンカンと足元から響く音を数えながら屋上に近づくと、
コノエはそこにいるべきでない人影を見つけた。
「…何してるんだ。」
「おや、子猫ちゃんいらっしゃい。
それは僕の台詞だよ。こんなところ…ああ、そうか。
そんなに僕が恋しかった?」
緑の髪に白い肌、黒一色の服を着崩して、
今夜の主役の1人が階段を見下ろすように鉄策にもたれて煙草を咥えていた。
コノエに気づくと、芝居がかった仕草で肩をすくめ首をかしげる。

「なんでそうなるんだ。」
「なんだ、照れなくてもいいのに。」
おいでおいでと手招くフラウド、コノエは素直にフラウドの隣で同じように鉄策にもたれる。
「ああ、じゃぁいつもの方向音痴だね?」
「違う!」

口をイーッとさせてかわいい犬歯を見せて力いっぱい否定するコノエは
本当に子猫のようだなぁとフラウドはにこにことしながら煙草の煙を消す。
子猫に煙草の煙は似合わないから。

「あんた、煙草吸うんだな。」
「ん?うん、時々ね。」
「煙草、もういいのか。」
「うん、君が来てくれたからね。」
にこりとするフラウドにつられてコノエもにこりと首を傾げる。
するりとフラウドの長い手が伸びてコノエの顎を指でついとすくい上げるとそのまま唇が重ねられる。
一瞬ビクリと身体を震わせたコノエだったが、
抵抗するほど面白がられるのはわかっていたのでぎゅっと目を閉じる。
「煙草より、ずっと美味しいね。」
離れ際コノエの唇を舐めた舌をチロとのぞかせて、
コノエをからかうように微笑むともう一度、今度は頬に口付けた。
「誰かに見られたら、どうするんだよ。」

頬に手を当て、目を伏せてコノエはつぶやく。
いつもそう、コノエはキスしたあとは自分と目をあわせてはくれないのだ。
照れ屋なんだというのはすぐにわかったけれど、初めは嫌われているのかとも考えた。
嫌われていたらイヤだなぁと思ったし、好きになってくれたらいいのにと思った。
人の気持ちを変えたいと思ったのはそれが初めてで。
本当に、この子は可愛いなぁと思いながら、もう一度唇にキスをする。

「別に、どうもしないよ。恥ずかしがり屋だなぁ子猫ちゃんは。」
「だけど、あんたは…その、ヘンだけど、すごい奴なんだし。
 駄目だろ、俺なんかとこんなのしてたら…」
他の奴らなんて気にすることないのに、とへそを曲げかけたフラウドだが
たちまち上機嫌でコノエの肩に両腕をのばし絡めるように抱きしめる。
「僕が君としたいから、するんだよ?
 子猫ちゃんは僕とこうするのは、イヤかい?」
「別に、イヤなわけじゃないけど。」
「けど?」
「あんたの足手まといになるの、イヤだ、から。」
だから、コノエが自分からフラウドに手を伸ばすことは無い。
いつもそう、この子は何も求めない求めていないフリをする。
だけど、こんなにも解りやすくうらはらな態度をとる人間も初めてで。
この子の口から、愛の囁きなんてこぼれることはないけれど、
だけど自分に向けられる言葉の全てが可愛くて、近頃はどんどん甘さも増して…。

「ねぇ、子猫ちゃん?」
「何?」
「他の人に見られるのがイヤ?」
「そ、そうだけど。」
「今は、2人きりだと思うんだけど?」
「だ、けど、誰が見てるかわかんないだろ、こんなとこ。」
「じゃぁ世界中に僕と2人きりならいいの?」
「え、なんだよそれ。」
「ねぇ、コノエ。他の人なんてね、いないんだよ。」
「ええ?」
「僕の世界には、僕と君だけだ。ほかにいない。
 だから、君は何も気にしなくていいんだよ。」

だから安心して?とフラウドは、コノエにキスをする。
何度も何度も、コノエが言葉を挟めないように何度も甘く優しくついばむように。
唇に頬に額に目元に、愛しさだけがコノエに降り積もるように。
コノエはもう何も言わない。
フラウドにされるがまま、目を閉じて口付けを受ける。
ただその手がそっと自分の服をにぎりしめたことを、もちろんフラウドは知っている。
今は、それがこの子の精一杯。
わかっているから、尚更愛しい。
だから今夜も、離してあげない。
「愛してるよコノエ、それだけを信じて?」


世界の全てが嘘だとしても 
あんただけはきっと 信じてしまう
それが何故かは わからないけど

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装甲悪鬼村正 二〇〇九年一〇月三〇日、物語がはじまる。
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