[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
われながらたいしたもんだ、
ていうかバルコノ熱が一気にヒートアップしたからですよきっと!!
春だしね!桃色春色桜色(語呂が気に入った)ですよ!
ちゅーか現代夫婦パロがこんだけ続くとは思いませんでした…。
藍閃の新婚バルコノはどうしておることやら…(遠い目)
バルコノSS:ニンゲン化パロ
タイトル:「家に着くまでがデートです」↓
※このお話は、現代ものっぽいパロディです。
※コノエさんは30才の作家さんで普段はお着物です。
今回はおでかけなので、カジュアルでこじゃれた洋装と思われます。
※バルドさんは51才の町の小さな定食屋の旦那です。
今回はコノエのためのおでかけデートなのでスーツで荷物持ちです。
※たぶん2人はニンゲンです。
電車の中、うたたねをするバルドにそっともたれる。
うとうとする瞼を開いてバルドがへらっと笑った。
くすりと笑い返して、おやすみ、と囁く。
ん、とかすかにうなずくと安心したようにこちらに首を傾け目を閉じる。
それでも、膝の上の荷物に隠れてこっそりと繋いだ手は離さない。
頬にあたる髪よりも、その手の温もりがむずがゆく、
コノエは頬がほんのり熱を帯びたように感じた。
2人きりでない場所で、コノエを気遣いながら
それでもはっきりと向けられる好意が嬉しくて恥ずかしくて、どおしようもない愛しさが募る。
まるで子供のように少女のように、
夢中で情熱的なこんな恋をするなんて思わなかった。
誰かのために、たった一人のために生きていることが幸せなんて、知らなかった。
バルドに出会ってコノエは、愛と暖かな家を得た。
それはどうしようもなく恥ずかしくて心地のいい場所。
あるときは1人が出かけて 1人が待つ。
あるときは2人で出かけて 2人で帰る。
丘の上の小さな家。
まるで少女漫画みたいだと考えながら、コノエは目を閉じる。
電車の揺れは何故かやたらと心地よくて
眠ってしまったら起きられないかもしれない。
だけど…とコノエは思う。
今日は自分のためだけに何でもすると言ったのはバルドだ、
だったら少しくらい振り回しても構わないだろう。
たまには2人、のんびり電車に揺られるのも悪くないかもしれない。
出会ったばかりの頃から外に出歩くことは少なかったから
つきあい始めてもう10年にもなるというのに、
コノエはバルドと出かける度にウキウキするのだ。
休みの日の外出が嬉しいなんてやっぱり子供みたいだな、
と自分に呆れながらコノエはすぅすぅと寝息をたてるバルドを見る。
最寄り駅の到着を告げるアナウンスに、少し迷いつつ
コノエはバルドの髪をついとひっぱる。
ん…とバルドが口元をむにゃむにゃさせる、もう着くぞ、と告げると
ふわ…とあくびを噛み殺し背筋だけで伸びをした。
おはよ。
ああ、おはようさん。
ふふ、と2人で笑うと、バルドはコノエの手をひき立ち上がると、そっと手を離し扉へ向かう。
電車を降りてホームの先を歩くバルドにたたっと追いついて横に並ぶ。
改札を出ると、今度はコノエの方からバルドの手を握る。
歩きながら、ん?という顔で自分を見るバルドに、
コノエもまた、ん?という顔で首をかしげる。
どちらともなく、くすくす笑いながら、そのままバス停を通り過ぎて歩き出す。
いい天気だな。
ああ、庭の梅も週末辺り見ごろだ。
そしたら去年漬けた梅酒を解禁にしよう、とバルドは続ける。
コノエは頷いて、空いた方の手でコートの前をくつろげる。
ほのかに花の香りがする暖かな風が吹き抜ける。
足取りも心なしか軽くなる。
髪、切ろうかな。
なんで、勿体無い。
だって春だし。
ああ、そうか。
うん、そう。
うーん、けどなぁ…
繋いだ手を揺らしながら、2人は歩く。
恋の季節、春はすぐそこ。
だけどこの2人に限っては、一年中いつでも恋の季節。