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いまいちシェリルの見た目描写が足りませんがくどくなるので諦めました。
しゃべりもまだちょっと、こんなんでいいのか迷いましたが、書きたかったシーンが書けたからいいのだ!
こゆびこゆび。
火楼学園なので2匹や周りに出てくる人もちゃんと猫(と悪魔?)です。
しかし毎回、服とか猫耳とかしっぽとかの設定を文章に生かせてないなと反省します。でも楽しかった!ビジュアルで想像しながら書いてるので、それはもうほんとにすごく楽しかったです!私の子猫ちゃんズ!まるでお花畑v(*´д`*)ウフv
↓シェリコノ?SS
タイトル:「可愛いキミといたいから」
※シェリルとコノエは火楼学園1年生ですリビカです。
※2匹を可愛い子ちゃん扱いしまくる予定です。だって可愛いから。
※シェリルのライバルはきっとトキノかラゼル(願望)
時は学園祭の3日前。
講堂にある更衣室の中、コノエは困っていた。
慣れないミニスカート、太ももがスースーするのにふくらはぎにふわふわと柔らかな布の感触がくすぐったい。
そして厚底の靴が地面との感覚をおかしくするので足元がおぼつかない。
おまけに舞台にあがるからと化粧までされてしまった。
自分でやると決めたものの、こんな状態ではなかなか覚悟を決められない…。
というか、こんな事をノリノリでやれるアイツの方が絶対おかしい!!
コノエが更衣室の扉をそっと開け外の様子を伺うと、ステージスタッフが準備に動き回る中、ステージの上では相棒が、可憐な見た目に似合わぬ豪快な笑い声をあげているのが見える。
フリルにレースがたっぷりの衣装にさらさらの黒髪、長い睫に柔らかな目元はコノエも可愛いと思うし、シェリルは校内の誰もが認める美猫だった。
その隣に並んで、ステージに出るなんてなんでOKしてしまったのかと、本当に悩む。
とはいえこのまま悩んでいても迷惑をかけるだけなので、コノエは自分を奮い立たせてステージに向かう。
「おー、コノエ!似合うな!可愛いぞ!」
シェリルの挙げた声につられてステージ袖や放送室で作業していたスタッフ達までどれどれと顔を出したので、ここ数日のステージの打ち合わせで他猫の視線に慣れたとはいえ、コノエはただただ恥ずかしく、そそくさとステージ上のシェリルに駆け寄るとその影に隠れるかのように寄り添った。
「なんで俺のスカートこんなに短いんだ…。」
「いいじゃねーか、スパッツ穿いてるし後ろは長いんだし。」
「そっちはスカート長いじゃないか。」
「そりゃーお前がセクシー系嫌がるからだろう。
それに長いったってこのスカート、布の継ぎ目にざっくりスリット入ってて動くたびに足見えるし。」
ほれほれと、しっぽと足を振り上げる相棒にコノエは溜息を付く。
「俺だってへそ出してると腹壊しそうで辛いけどさ、愛しいコノエのため頑張ってんだぜ。
だからほれ、コノエもにっこり笑って可愛い顔見せてやりな?」
遠くから見ればシェリルにぴたりと身体を寄せて視線を避けるかのように俯くコノエ。
そして、コノエの頬に触れ何事かを囁いてニコリと笑うシェリル。
周囲は、ざわざわざわっとどよめき、
生徒会スタッフは、今回のミス火楼学園コンテストの成功を確信した。
「シェリルは平気なのか…このフリフリ。」
シェリルに頬をふにふにと触られながら、コノエは耳を垂らし尋ねる。
「あー?これっくらい大した事ないだろ、
うちのお袋はもっと少女趣味でな昔はよくフリルにリボンの服着せられたもんだ。」
「ああ、そう…。」
「ま、雌の格好だと思えば恥ずかしいけどさ、お祭り用の仮装だって思えばちょっとはマシだろ?」
「う、そうか、な…。」
「そうそう、俺様の美貌にコノエの可愛さと歌があれば、猫にマタタビ。
はりきって学食ランチ券100枚綴りゲットしようぜ。」
にっこり笑うとシェリルはコノエの手にマイクを握らせる。
「先輩方!1-1代表準備できましたっリハ頼みます!」
「よ、よろしくお願いします!」
手を振って上級生に合図するシェリルに、コノエも慌てて声をかける。
「よーっし!ステージ班配置に付け!放送室20秒後、ドラム音からスタート!
照明タイミング外すなよ!司会ステージ中央!
シェリルとコノエは幕の後ろだ、衣装汚すなよ!
初の通しだ!気合入れてけお前ら!」
オーッ!と声をあげ持ち場にちらばる猫たち。
今までになく気合の入った先輩たちの自然と盛り上がる空気に、コノエも覚悟を決めた。
そう、ミス火楼学園コンテスト優勝の副賞は学食ランチ券100枚綴り…寮生で奨学生であるコノエにとってそれはそれは魅力的なものだった…。
シェリルは、元々お祭り好きという性格もあるだろうけど、それが分かったから自分と2匹でミス火楼コンテストのクラス代表を引き受けてくれたのだろう…とコノエは思っている。
何を考えてるかわからない、綺麗なクセに軽薄な猫だと思ってた、それがとても優しくて、気遣い上手な大人な猫だと気づいたのはごく最近、シェリルと2匹でいる時間は結構楽しくて、やたらめったら可愛い可愛いと言われるのが不思議で、むしろ嫌味だと思うけれどそれもすっかり慣れてしまった。
元々シェリルは良い家柄の猫で、コノエとは部活も違うし友人グループも違うので仲良くなったのがいまだに不思議だった。
学園祭が終わればシェリルのとりまきは更に増えるだろうし、こうして2匹でいる理由もなくなり、こんな時間が無くなるかもしれないと思うと正直、寂しい。
「シェリル、ありがと。」
「ん?」
「気合入った、気がする。」
「そりゃよかった、いい歌頼むぜ。」
「ああ、それなら得意だ。」
まかせろ、と笑うコノエに、シェリルはエスコートするように左手を伸ばす。
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歌さえ始まればコノエには怖いもの無しでつつがなく2匹の出番は終わり、
外で続くリハーサルの雑音を聞きながら、更衣室の中、
シェリルは背中のチャックに悪戦苦闘するコノエをにまにまと見守っていた。
傍目にはにこにこと言えなくもない笑顔だが、
本人の考えている事を考えれば、にまにまでも生ぬるい表現かもしれない。
意地っ張りで照れ屋で、だけどとても純朴で頑張り屋のコノエ。
その唇から高らかに歌い上げる歌はシェリルにきらきらとした光を錯覚させた。
初めは歌で、それからくるくる変わる表情としっぽ。
世間知らずの田舎猫だと思っていたのに、いつのまにか可愛くて愛しくて仕方が無い同級生。
蝶よ花よと育てられ、雌雄の別なく与えられ貢がれ、
そして陥れもて遊ぶことさえ許されていたシェリルにとって、初めての感情。
そう、シェリルは自分がどう見られているか、どう見せれば効果があるかよく知っていた。
だから本当は、自分1匹でコンテストで優勝し学食チケットでコノエに恩を売るなんてことも出来なくはないのだ。
だけど、コノエに堂々と可愛い衣装を着せられるこのチャンス、しかも2匹っきりでいる時間も増えうまくやれば公認の2匹なんて事態に持ち込めるかもしれない…そうこの際、コノエが誰を好きかと言うのは問題ではなく、周りの邪魔者を牽制出来ればOKだった。
他猫慣れしていないコノエを落とすのには時間かける必要がある、まず必要なのは信頼されること。
だから、この美味しい状態もひたすら我慢なんだよなぁ…ちょっと残念だけど、まぁ役得だしな。
自分は慣れたてつきで悠々と着替えを終えたシェリルにコノエが非難の目を向ける。
「シェリル…見てるなら助けろよ。」
「え、コノエ俺に脱がされたいの!?」
「…チャック下ろしてくれるだけでいいんだけど。」
「遠慮しなくていいのに。」
「してない。」
コノエってば冷たいわ~とふざけた口調で、それでも素直にチャックを下ろしてくれるシェリルにコノエは苦笑する。
「な、シェリル。」
「ん?」
「優勝したらさ、2匹でランチ食べような。」
「…頑張ったご褒美ならデートのお誘いのがいいんだけどな?」
「バカ、ンな金ないよ。」
「そりゃ残念。」
肩をすくめてコノエと笑いあうシェリルだったがその内面はそれはもうえらいことになっていた。
ちょっと待てそのランチってのはどういう意味でのお誘いなんだコノエ、本当にご褒美のつもりなのか!
ていうか、金あったらデートOKってことなのかコノエ!!
待て落ち着け俺、いつの間にコノエに、え、何、俺まだなんも言ってないよな、え、いや好きっていうのはバレバレか、いやバレていいんだけど…えーっと、ああああああ、今のは俺にエスコートさせてくれって言えば良かったのか?!コノエからお誘いってくそ滅多にないのにあああああああああもう!なんでこんな立ち回るの下手なんだ折角のチャンスに!!
考えろ、なんか考えろ今のうちに何か他のテを!
コノエが自分に笑顔を向けていなければ、壁に頭を打ち付けかねないぐらいの苦悩っぷりであった。
「あ、あー、コノエ、明日は暇だろ?一緒に回ろうぜ。」
「ごめん、部活の用事がある。」
「えー合唱部って明日正午の舞台だけだろー?」
「午前中にOBが顔出してくれるから1年は常時部室待機なんだ。」
「あーそっか、じゃぁさそっちの舞台終わったら一緒に行こうぜ、な!」
「ああ、昼からならたぶん大丈夫。」
よっしゃっとシェリルは、こっそり拳をにぎりしめた。
「よし決まり。明後日のこの本番終わった後は周りが煩そうだからさ、明日の内に遊んどこうぜ。」
絶対つきあえよ、と小指を立てて笑うシェリルに、
やっぱり可愛いなぁと思いながら、コノエもにっこり微笑み小指を絡める。
「うん、約束。」
コノエの笑顔と絡まる小指に、なんとか次へのステップを繋げた事を確信しほっとするシェリル。
用意周到な策略家のつもりでも所詮は初恋に溺れるお子様である、ついでに見た目の可愛らしさに惑わされているのもお互い様で…つまり2匹は五十歩百歩。
本番当日ミス火楼学園コンテストは大盛り上がりをみせたが、肝心の主役となった2匹の仲は、まだまだこんな始まりだった。